Astronomy with Small Telescopes
小型望遠鏡をどう使うか
小型望遠鏡を使う第一のメリットは、言うまでもなく、 いつでもどこでも自由に使えるということです。 ただし、集光力や解像度という点で大型望遠鏡には 勝てないので、使い方は工夫しなくてはなりません。 頑張って長い時間積分して暗い天体まで写ったデータを撮っても 大型望遠鏡を使えば一瞬でできてしまうので、 むしろ、短時間積分を頻繁に繰り返す観測をすることが 多いようです。
これは、私たちが開発を進めているCMOSカメラと 同じ方向性なので、互いに協力・補いあって 研究を進めることができます。
小型望遠鏡で狙う天体
小型望遠鏡で短時間積分となると、当然観測できる天体は 明るいものに限られます。 しかも短時間で変動するようなものでないと大型望遠鏡によって 簡単に観測されてしまいます。 なので、高速で動く流星や小惑星や、月や惑星の発光現象 といった現象が観測対象になってきます。
一方、暗い天体は観測できないかというとそうでもありません。 小型望遠鏡では見えないような暗い天体が 明るい天体の前を通過すると、明るい天体の光度が下がります。 このような「掩蔽」現象をとらえれば暗い天体を間接的に観測することも できるのです。
実際の研究
まず小型望遠鏡を自分の手で設置・操作して目標の天体に 向けられるようになることが必要ですが、 焦点部カメラを操作してデータを取得する、得られたデータを 解析するというソフトウエアの開発も必要になります。 自らの手で一から観測をできるように仕上げるという点では やりがいのある面白い研究になると思います。